TBC気象台日誌

今年の台風上陸数 統計開始以来、2番目の多さに

今年5月17日の日誌で、「今年、台風の発生数は平年より少なくなりそう」との見通しを書きましたが、実際は26個と平年並みでした。
 エルニーニョ現象が最盛期を迎えた翌年に見られる特徴の通り、1号の発生は7月3日と統計を取り始めた1951年以降で2番目に遅くなった一方、その後は北西太平洋の熱帯域で対流活動が活発化したため相次いで発生。7月以降は平年よりも多くの台風が発生し、年間の発生数としては平年並みとなりました。

日本への接近数は平年並みの11個でしたが、上陸数は統計開始以降で2番目に多い6個(最多は2004年の10個)。北海道地方に年間2個、再上陸も含めて3個の台風が上陸したのはともに初めて、また、東北地方の太平洋側に上陸したのも初めてと、異例のコースともいえる一年でした。

台風10号上陸
岩手県大船渡市付近に上陸した台風10号

来年・2017年の台風の傾向はどうなるか?予想する際に一つポイントとなるのが、この秋から続いている「ラニーニャ現象」です。ラニーニャ現象が発生すると、台風の発生位置が夏は北に、秋は西にずれる傾向があり、日本の近くで発生しやすくなる特徴があります。
 しかし、最新の予想によると、ラニーニャ現象は徐々に弱まり、来年の春には終息する可能性が高い見込み。このため、発生数などの傾向に平年と大きな隔たりはないものとみられます。

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